福岡 ブランディングデザイン・パッケージ・ロゴ デザイン事務所 株式会社アルジュナ

心に残る名前(ネーミング)

お知らせ

2024 02.20

/ロゴ(CI・VI) / ネーミング /パッケージ

こんにちは!福岡のデザイン事務所アルジュナのササダです!

 

今回はネーミングについて書いてみたいと思います。ネーミング、つまり何かに名前をつけることは、第一印象を形作るとても大切なステップです。

 

それでは、最初に…

「名前を変えて売上げがあがった商品」を紹介します。

 

1「お〜いお茶」

「お〜いお茶」の登場は、缶やペットボトルで販売される緑茶が日常的なものとなるきっかけを作りました。伊藤園さんが1984年に業界で初めて緑茶の缶飲料を市場に出したことは、従来「家庭内でのみ飲まれる」という緑茶の常識を打ち破る革新的な試みでした。最初に発売された製品名は「缶入り煎茶」。しかし、この新商品は売上が伸び悩んだそうです。主に駅弁販売などを通じてじわじわと販売網を広げていく戦略を取りましたが、消費者からは製品名に対する混乱の声が多く上がりました。人々は「煎茶」の読み方に戸惑い、「まえ茶?」や「ぜん茶?」といった問い合わせが相次いだそうです。

この問題を解決するため、伊藤園さんは学生を対象に調査を行い、「煎茶」という言葉が一般にはあまり馴染みがないことを発見。その結果、1989年に製品名を「お〜いお茶」へと変更することに。この名前はもともと同社の茶葉製品のCMで使用されていたキャッチフレーズでしたが、商品名として採用されることに。

名前を変更してから4年後、売上は約40億円と前回の6倍近くに跳ね上がったそうです。この成功は、「お〜いお茶」が家庭的な温かみや親しみやすさを感じさせ、名前としても記憶に残りやすいことが大きな要因です。確かに、「缶入り煎茶を買ってくる」よりも「お〜いお茶を買ってくる」と言う方が口に出しやすく、この親しみやすさとわかりやすさが製品成功の鍵といえるでしょう。

参照:改名で売り上げ40億円の「お~いお茶」売れる前の名前は…|AERA dot.

https://youtu.be/FM84L_wXMQE?si=jjQcgnVUqDMYRA9f

 

2「鼻セレブ」

春の訪れは、花粉症を持つ人々にとってティッシュが欠かせない時期でしょう。通常のティッシュを使用していると、頻繁に鼻をかむことで鼻が痛くなり、肌荒れを起こすこともしばしば。花粉症に長年悩まされている人たちの中には、特定のティッシュ、「ネピアの鼻セレブ」を選ぶ人が多いそうです。この製品は、鼻に優しい保湿成分を含んだティッシュとして知られています。

「鼻セレブ」が現在の地位を築くまでには、いくつかの挑戦がありました。1996年に「ネピア モイスチャーティシュ」として発売された当初、保湿ティッシュという概念自体がまだ新しく、加えてパッケージのデザインが控えめであったため、消費者の注目を引くことが難しかったそうです。その当時はSNSも普及していなかったため、口コミだけでは製品の魅力を広めることができませんでした。

この状況を打破するため、製品名とデザインを大胆に変更することに決定。100案以上の中から「鼻セレブ」という名前が選ばれました。この名前は、直接的な「鼻」という言葉と、高級感を連想させる「セレブ」という言葉を組み合わせることで、大きな印象を与えることができました。また、パッケージデザインもリニューアルし、うさぎやゴマフアザラシなどの柔らかく愛らしいイメージを前面に出し、2004年に新しい顔を消費者に披露しました。これらの変更により、売上は以前の10倍以上に増加しました。

「鼻セレブ」の成功は、記憶に残るユニークな名前と、目を引くパッケージデザイン、そして製品自体の優しさが消費者に受け入れられた結果です。製品の柔らかさと保湿性が、その名前とデザインにもしっかりと表現されていることが、このティッシュの大きな魅力となっています。

参照:鼻セレブやカレーメシも、「改名後」にヒットした商品たち|ダイヤモンド・オンライン

https://youtu.be/I4JCCBm8kfM?si=_FyShBfq5MSOFJ2e

 

鼻セレブを検索していて発見したサイト!なんと「日本ネーミング大賞」今回のブログにぴったり!

 

日本ネーミング大賞は、ネーミングの重要性を広く社会に発信することで、ネーミングの質と価値の向上を図り、生活文化をゆたかにし、 産業の発展に寄与することを目的に賞賛すべき優れたネーミングを選出・表彰する年に一度のアワードです。また、審査委員は爆笑問題の太田光さんなど名だたる方々。

まだ第4回と開催はすくないですが、弊社もネーミングをやっているので今度は出したいと思います。

 

ネーミングには「親しみやすさ」や「わかりやすさ」「インパクト」も重要

 

いくら良い商品を作っても、名前がしっくりこないと売れません。それほど、名前というのは重要です。

 

今回の事例を見てみると、呼びやすさや親しみやすさ、わかりやすさといったことが商品のネーミングには重要であることがわかります。商品の特徴をそのまま名前にしても伝わらない。かといって、イメージだけ先行させた名前でも伝わらない。ネーミングに関しては正解はないのかもしれませんが、以上のようなことは念頭に置いておく必要があるようです。

次回のブログでは、効果的なネーミングのための基本的な指針と、そのプロセスをよりスムーズに進めるためのヒントが紹介できたらと思っております。

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