どうも!アルジュナ広報ノダです!
僕は普段ウェブディレクターとして働いているんですが、
このディレクターというお仕事、勉強することがめちゃくちゃ多い!
デザインやプログラミングをするわけではないんですが、
デザインとプログラミングの基礎知識がないと制作者の方に適切な指示をしたり
クライアントの意図を汲み取ることができません。
さらに、経営者の方と直接ヒアリングや打ち合わせをすることが多いので
経営、マーケティング、ブランディング、社会情勢やらなんやら
知っておいた方がいいことは山程あります。
そんなディレクターの仕事、
日々の勉強が大事だなぁ〜といつも考えてます。
SNSを見ていても周りのディレクターさんたちが勉強内容をアップしているのが目に止まります。
ネット、セミナー、動画など勉強方法は様々なですが、
僕の場合、本を読むことが多いです。
なぜなら本は体系的かつ包括的な知識を一度に得ることができるからです。
今日は最近読んだ本で中堅ディレクター向けの本をご紹介したいと思います👍️
世界の広告クリエイティブを読み解く
まず、最初にご紹介するのはこちらの本。
世界の広告事例を紹介する本はこれまでもたくさん出版されていますが、こちらの本は世界の広告を「文化」を切り口に解説しています。
ホフステード6次モデルという異文化理解の理論をベースに国それぞれの価値観によってクリエイティブ表現がどのように変化していくのか?を知ることができます。
クリエイティブ表現は氷山でいうところの目に見える部分であり、水面下には巨大な「国それぞれの価値観」が存在しています。
そこを理解せずに表現してしまうと、素晴らしいクリエイティブも人を傷つける刃になってしまうこともあります。
■ホフステードの6次モデルとは
ホフステードの6次モデルは国レベルの文化的価値観がどのように異なるかを以下の指標によって判断していきます。
・権力格差
その国の権力格差を表す指標です。高いほど独裁的であり低ければフラットで平等な社会だと言えます。
・集団主義/個人主義
社会の中で個人は「他の個人から独立した存在である」と考える文化と「個人は集団の一員である」と考える文化があります。この文化の違いを表す指標です。
・女性性/男性性
こちらの要素はジェンダーの問題ではなく、傾向になります。
例えば女性性が強い文化だと弱者への思いやりや生活の質を重視する傾向として考え
男性性が強い場合は業績、成功や地位を重視すると考えます。
・不確実性の回避
不確実性の回避とはある文化の構成員が不確実な未知の状況に対して不安を感じ、それを避けるために信仰や制度を形成している程度です。
ちなみに日本は非常に高い傾向にあります。
・短期志向/長期志向
ある社会が規範的で過去から現在をみる短期志向か、実用的で将来の目標を見据えた長期志向をもっているかどうかの度合いです。
日本や韓国、中国のアジア圏は長期志向、アメリカは短期志向の傾向があります。
・人生の楽しみ方
人々が人生を楽しむための基本的欲求をコントロールしようとする程度です。このコントロールが強い文化を抑制的、弱い文化を放縦的と呼びます。
日本、ロシア、香港、エジプトなどが抑制的、メキシコ、イギリス、アメリカなどが放縦的な傾向があります。
上記のような指標を元に7つのメンタルモデル(文化圏)を形成し様々な国を当てはめていき、
メンタルモデルに合わせてクリエイティブ表現を考えていくのが本書のメインの内容になります。
おそらく、ここまでの説明だと、とんでもなく難解でややこしい本に感じるかもしれませんが、
分かりやすい説明と図表で前提知識がなくても結構スラスラ読めます。
そして単純に文化によってここまで表現手段が変わるのか?という驚きで一気に読んでしまいます。
例えば第三章はバーガーキングの広告におけるクリエイティブ表現の各国の違いについて説明しているんですが、各国で全く方向性の違う表現をしています。
日本のバーガーキングの事例では隣接したマクドナルドが閉店したときに、店先にライバルを称える広告を出しました。
一見、素敵でスポーツマンシップを感じる表現ですが、よく見ると本文が縦書きで
「私たちの勝ち」と読めます。
一方、個人主義のアメリカの場合は
「ワッパーの回り道」というプロモーションを行っており
マクドナルドの店舗の半径180メートルに近づくと、その人のスマートフォンに入っているバーガーキングのアプリに、ハンバーガーを1セントで買える割引クーポンの通知が届くという非常に好戦的な手法を行いました。
他にもイギリス、インドネシア、ブラジル、ドイツ、モロッコ、フランスと
様々国別バーガーキング広告と解説が読めます。
広告と社会学を同時に勉強できるような素晴らしい本でした!
ダークパターン 人を欺くデザインの手口と対策
続いてご紹介するのはこちらの本。
皆さんダークパターンという言葉を聞いたことはありますか?
ダークパターンというのはデザインや心理学を悪用し利益を生み出す仕組みのことです。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、皆さん結構日常で引っかかっていたりします。
例えば
・空港でお土産屋さんを必ず通らなければ出入り口にたどり着けない構造。
・「はい」と「いいえ」を左右逆にした選択肢
・「購入することをやめることをやめますか?」といった非常に分かりにくい文言
・解約ページが見つけにくいウェブページ
このような手法は全てダークパターンに分類されます。
本書はウェブを中心にダークパターンがまとめられています。
その理由としては、ウェブサイトやサービスにおける、こうした際どい手法に関しては法整備が整っていないことが挙げられます。
サービスによってはデフォルトで有料オプションにチェックが入っており、
気づかずに契約すると不要な料金を支払い続けるような事例もあります。
ここまで来ると、かなり黒よりのグレーな手法じゃないでしょうか。
本書では、まずダークパターンの分類からはじまり
多様な事例における研究と対策、そして法整備の現状や未来への展望について書かれています。
デザインやマーケティングは倫理観の土台がなければただの金儲けの手段になってしまいます。
そうならないためにも、詐欺的手法の現状を理解し知っておくことはディレクターとして重要な基礎教養だと感じます。
ディレクターにとって本は盾になる
今回紹介した本は、いわばディレクターにとって盾になる内容だったと思います。
知っていることで、事前に落とし穴に気づいたりユーザーを騙すような構造やクライアントのブランドイメージを落としてしまうような表現に気がつくことができるからです。
そしてこのような数百ページに渡る専門知識をウェブや動画で探すのはとても難しいと思います。
まだまだ業界の人達がハイテンションになるような面白い本はたくさんあるので、これからも紹介していきたいと思います!
それではまたアルジュナブログで会いましょう😊
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福岡でブランディングデザインを行っているアルジュナは、商品企画・制作をはじめ、グラフィックデザインや映像制作、企業・商品・サービスのブランディングなどの企画・提案をしております。デザイン活動を通して、広告づくりをもっと身近に、少しでも多くの人に毎日が楽しくなるようなトキメキを届けていきたいと考えています。
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